漫画で見る旧ソ連・抑留体験記
写真・文 / 「旧ソ連抑留画集」HP管理者 木内正人 取材日:平成16年3月6日
●期間:平成16年3月1日(月)〜3月31日(水)
●主催:かしわインフォメーションセンター ●イベント案内
■ 開催への経緯
今回の展示は地元柏市での開催となりました。主催は「かしわインフォメーションセンター」です。「かしわインフォメーションセンター」は、特定非営利活動法人(NPO)柏市インフォメーション協会が運営し市民及び来街者に対して、行政情報、地域情報、民間情報など暮らしに役立つさまざまな情報を提供する民間団体です。センターのスタッフの方々は、以前から私のHP「北柏の周辺」を見られていたことから、そのサイト内リンクを通じ私たち親子の活動を既にご存知でした。
また「かしわインフォメーションセンター」は有用な情報を発信する場所として、展示ブースにて毎月様々企画展が開催されています。HP「旧ソ連抑留画集」の作者が柏市民であることと、その内容が個人作品の枠を越え、人々への公共性とメッセージ性を備えていることが「かしわインフォメーションセンター」の趣旨と合致し、「かしわインフォメーションセンター」の申し出によって今回のイベントが開催される運びとなりました。
(写真左は藤田局長と企画担当の川舩さんによる開催前の打ち合わせ風景:1月31日撮影)
■ 展示ブース
展示ブース中央の六角形の展示BOXは、地域の自然、教育、スポーツ、商工業、市民活動などを紹介する場所です。今回のイベントでは、HP「旧ソ連抑留画集」の作品約70点をうち、「展示ブース」と「ミニギャラリー」それぞれ分割し、展示してあります。展示方法に関しては、すべてセンターのスタッフの方々にお任せ致しました。
今回の展示は父の作品だけでなく、それに付随する資料も置いてあります。“戦争”というものを様々な立場から認識して頂きたいからです。日本が平和になって既に60年。そんな中で、当時の証言者は少なくなっています。個人の一方的な価値観が支配しないように、あらゆる人の証言を資料として閲覧できるようにしています。センターのスタッフの方のご配慮により、近代史の年表も用意されてあります。
センターのスタッフの方々は、多くのパネルを使って父の抑留記録だけでなく、ありのままの歴史を紹介して下さっています。父の作品のテーマは“心の交流”です。さすが普段から出会いを大切にしている場所だけあって、「かしわインフォメーションセンター」の趣旨に沿うように展示の方法も工夫されています。
■ ミニギャラリー
窓側の壁は「ミニギャラリー」になっていて、「展示ブース」と分割した作品を展示しています。HPの中にある作品は全てA5サイズです。またご覧のように、全て人物が描かれています。そこには旧ソ連での危険を伴う労働の中でも、笑いがあり国を越えた友情が描かれています。個人個人の人間として付き合えば、本当は憎しみ合う理由など何処にもありません。目に見えない巨大な欲望は、恙無く暮らしている多くの人々に犠牲を強いているのかも知れません。ぜひ、多くの方々に父の原画を見て頂きたいと思います。
■ スタッフの皆さんへ
今回の展示は「かしわインフォメーションセンター」のスタッフの方々のご尽力の賜物です。心から感謝致します。柏の街の良さを様々な企画を通じて紹介し、そして来場者への丁寧な接待業務というのは大変なお仕事でしょう。常に中立かつ公正な立場で街を紹介し、柏市民、来街者、そして街に暮らす外国の方々へ温かい笑顔で接する姿勢に敬服いたします。情報発信とは、まさに「かしわインフォメーションセンター」のスタッフの方々のように、全ての人に平等で、一方の立場に偏らない努力をすることだと思います。私の管理運営するHPも、そうした精神を見習いつつ内容の拡充に努めて行きたいと思います。(写真は「かしわインフォメーションセンター」の局長。とても明るく綺麗な方です。)
「かしわインフォメーションセンター」のスタッフの方々は基本的に女性。スタッフの方が作られたフォーラムの案内に「空軍将校・・・」の絵が採用されるのも初めてです。今までの男性役員が主体となって開催されてきた展覧会とも一味違います。父はよく口癖で「すべて女性が社会を支配したら戦争はなくなる」と言います。ぜひ、常に明るさと優しさをもって柏の街ために活躍されて下さい。本当にありがとうございました。