ある日、織姫の父である天帝が織姫の様子を見にやってきました。
「おまえは本当によく働くな。おまえの織った布は天界でも一番美しいと評判だぞ。」
「ありがとうございます。お父様。」
「ところで今日はな、そんな話をしに来たのではないのだ。実はな、いい若者がおるのでおまえの婿にと思ってな。」
そう言って、天帝は牽牛のことを話し出しました。
「天の川の反対の岸辺に、牽牛という若者がおる。この若者、なかなかの働き者でな、毎日毎日朝から晩まで畑を耕し、良い野菜を作る。おまえと同じで、まじめで遊びなどということを知らないからな。二人が結婚すれば、末永く幸せに暮らせること、間違えなしじゃ。」
「お父様がそうおっしゃるのなら、そういたしましょう。」

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