それから、ひと月たち、ふた月たち、何もなかった荒れ地みたいな、おじいさんの畑には、真っ白なそばの花。「あー。良かった、良かった。お前のおかげで、おそばが、こんなにできた。」
こうしてできた、おそばの実を収穫し、多助じいさんは、そば粉を作りました。石臼で、ごりごりごりごり。今年の、おそばは、蒔き時が良かったので、いつもの年より、たくさん取れました。
「こりゃ、食べきれんな。どうしよう。」どうしようか考えて、おばあさんとも相談しました。
「そうだ。いつも、おじぞうさんの所に、大勢の人が、お参りに来て、お茶を飲んだり、お弁当を食べたりしている。あの人達に、おそばを食べてもらおう。」と、いうことで、おそばの店を作りました。
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