やがて、日が暮れて、宮殿の中には、こうこうと明かりがともりました。
老人は、相変わらず、大さかずきをかたむけています。
皇帝は、大臣に、
「もう、どれくらい飲んだかな?」
と、たずねました。
「はい。一石、用意いたさせましたが、これまでに七斗たいらげてしまいました。」
七斗というのは、今で言うと灯油の赤いポリ容器7杯ぶんです。
「ほほう!くじらが大海の水を吸うというたとえは、まさしく、このことじゃ。こういう家来が、五、六人もおったら、酒蔵がいくつあっても足らんじゃろう。」
と、皇帝は、おもしろそうに笑っていました。
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