この様子を、馬の上から見ていた大臣がいました。大臣は、宮中にあがると、仁宗皇帝に、その話をしました。
「ほう、それは世にも珍しい話じゃ。」
「はい。私も、このような老人は、初めて見ました。」
「ことによると、本当に仙人かもしれぬ。仙人が、わしの都にあらわれて、酒を飲んで歩くとは、まことにめでたい話じゃ。」
「まったくでございます。」
「これ、すぐ町へまいって、その老人を、ていねいに案内してまいれ。ここで、わしが、思う存分、酒をふるまうことにしようぞ。」
こうして、不思議な老人は、招かれて、宮殿にやってきました。

もどる  すすむ