まわりの人々は、 「おじいさん、えらい元気ですね。」 「どこから来なさったかね。」 と、声をかけましたが、相変わらず、にこにこするばかりで口はききません。 「これは、確かに、どこかの山から下りてきた仙人にちがいない。」 蘇東坡は、つぶやきながら、ふところから写生帳を取り出して、急いで筆をはしらせました。 老人は、町の人々を、お供のように連れて歩いていきましたが、青い旗が軒に出ている店を見つけると、入っていきました。
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