記憶遺産登録5周年の旅
令和2年10月9日(金)〜14日(水)。ユネスコ世界記憶遺産登録5周年を記念する「平和未来フォーラム」への参加を主な目的とした家族総勢8人の旅行となりました。新型コロナウイルスの感染拡大によって疲弊した社会ではありますが、政府が推し進めるGoToトラベルキャンペーンを利用したお得な旅にもなりました。もちろん、父の体力を配慮したゆっくり旅です。
旅行初日は京都で一泊し、夜は鉄板焼でした♪ まだ合流できてない家族メンバーには申し訳なかったですが(笑)今のところ父の調子は大丈夫。お肉もしっかり食べてました。シェフが「お爺様のお誕生日か何かですか?」と聞くので、ユネスコ世界記憶遺産のことをお伝えしたら、早速父の名前をGoogleで検索して驚いていました。
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ついに目的地の舞鶴に到着しました。総合文化会館では、すでに新聞各社の記者の皆さまが待っていました。到着早々の囲み取材です。ユネスコ記憶遺産の登録5周年。そして戦後75年にちなむ記者の皆さまからのご質問に、父のコメントから「戦友」という言葉が何度もでます。亡くなった戦友たちの顔が忘れられないようですが、今日、こうして遠く柏からここまで来たことに、天国の戦友たちもきっと喜んでくれていると思います。
平和未来フォーラムでの多々見舞鶴市長の冒頭のご挨拶でも「記憶遺産の寄贈者・木内信夫さんが来て下さいました」とおっしゃって下さいました。ありがとうございました。その後、総合文化会館のから舞鶴引揚記念館に移動。床に描かれたユーラシア大陸の地図に父が指し示す抑留の地は、モスクワよりもさらに西方のウクライナ。こんな遠くから生きて戻って来たからこそ、こうして孫たちと一緒に舞鶴まで来られたのです。また、舞鶴引揚記念館では、これまで父が送った絵葉書が大切に綴られていました。父も母も大変喜んでおりました。ある意味では、これも記憶遺産なのかもしれません☆ 記事には書ききれないことがたくさんありますが、 父や私たちを歓待して下さった舞鶴の皆さま、本当にありがとうございました。。
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旅の最大の目的だった舞鶴を出て、あとはのんびり観光です♪ジャンボタクシーに乗って城崎温泉に向かう途中で天橋立に寄りました。心配だった天気も晴れてニッポンの絶景のひとつを家族で堪能できました。車椅子の家族を連れて観光するのは初めてですが、いろいろと勉強になることばかり。本当に良い旅になりました☆
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舞鶴から天橋立を経て城崎温泉へ。父を囲んだ楽しい家族旅行となっております。選んだ宿は貸切風呂付きの新しい旅館です。父を公衆浴場には連れて行けないので、家族でサポートできるような体制にしました。男たちだけで入る貸切風呂は“地獄絵図”のようですが(苦笑) 父が喜んでくれたので何より♪ 孫夫婦に浴衣を着せてもらって嬉しそうです。父は今、死んだ戦友のぶんまで長生きして、幸せに過ごしています。それで良いのです☆ 私も空いた時間でしっかり湯巡りもしました。
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旅行4日目の宿は駅ビルホテルのグランビア京都。ランチはホテル内レストラン「浮橋」の個室でした。姉夫婦と甥っ子夫婦らとここでお別れです。賑やかな楽しい旅でもあり、そして父が舞鶴に生還できたからこそ今ある幸せを実感できる旅でもありました☆ 翌日は両親と3人で静岡県の日本平に向かいます。お陰さまで父も母も元気です♪
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京都から静岡県の日本平に移動しました。父の体力を鑑みて、少しずつ柏に戻るのんびり旅行です♪ ホテルにチェックインして間もなく、従姉兄が会いに来てくれました。数年前に亡くなった父の妹の子供達です。父がとても嬉しそうでした。実は、旅行ではハーモニカを持参していて、メインの訪問先・軍港舞鶴で、孫たちの前で『軍艦マーチ』でも披露させようと思ってました(笑) しかし、息が続かないのでそれは叶いませんでした。せっかくなので、ここ日本平で従姉兄たちに『丘を越えて』を吹かせました♪ この旅行では、引き揚げの街から戦後の滞在地となった静岡県で多くの人たちが父の到着を待っていて下さいました。父は本当に幸せ者です☆
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高齢者のケアをしながらの5泊6日のゆったり旅行も、ようやく今日が最終日。荷仕度を整えて帰路に着きました。まだ家に着いた訳ではありませんが、少なくとも今現在まで無事であったのは、天国にいる父の戦友たちの御加護だったのかもしれません。楽しい旅行の日々を過ごせたことに感謝です☆
長い道のりを経て無事に柏の家に帰宅できました。両親も元気です♪ 体の不自由な高齢者との旅は、いろいろと勉強にもなりました。そして何より、鉄道スタッフの皆さまにも本当にお世話になりました。もちろんお仕事のひとつなのだと思いますが、助けを受ける側としてはとても嬉しいことです☆ 人に優しい社会とは、まず自分自身が人に優しくできるようにすることなのかもしれませんね。
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