講演会「日露戦争時の俘虜生活とシベリア抑留」にてイラスト展示
平成21年8月23日、水戸市国際交流センターにて「第5回 シベリア抑留問題を学び考える −日露戦争時の俘虜生活とシベリア抑留−」の講演会が開催されました。三村さん(写真左)のご紹介により、父のHP「旧ソ連抑留画集」のイラストを展示する運びとなり、実行委員の古川さんとご一緒に水戸から父のイラストを受け取りに来て下さいました。父と三村さんの固い握手は、人類史上最悪の犠牲者数となった第2次大戦を生き残り、そしてさらに極寒の地から生還した者同士しか通じ得ない“戦争の絆”でもあります。(2009/9/3)
●主催:日本ユーラシア協会茨城県支部
講演者は、藻利佳彦氏(東京ロシア語学院主事・メドヴェージ村日本人捕虜生活資料収集センター代表)
。以下の文章は案内チラシからの抜粋です。「今から約百年前に起こった日露戦争で捕虜になった日露両国将兵は、ハーグ条約のもと比較的人間的な扱いを受けました。サンクトペテルブルグに近いノヴゴロド州メドヴェージ村には日本人捕虜1800人が送られ、終戦までにその地で19人が亡くなっています。遺骸送還記念式典には朝日新聞特派員であった二葉亭四迷も参加していました。今回は、2003年以来、墓石発掘作業に携わっている藻利先生を講師にお招きし、その実相を写真やエピソードを通して紹介していただき、シベリア抑留と比較しつつ捕虜問題を考える学習懇談会といたしました。」
●イラストの感想
とても興味深く見ました。
このような表現形式で捕虜生活の実態を示していることに驚きました。訴える力は文字以上です。多くの人の目に触れることを期待したい。
作者の語り伝えたい思いが痛いほど胸にささりました。作者の人柄なのか、収容所のちがいか、つらいことも明るく描かれていて意外でした。これまで何回も見てきたシベリヤ絵画とはイメージとしても大変違うものを感じました。民族差別のないこと、ロシヤ人の合唱ずきなこと、数に弱いこと、ロシヤ女性のたくましさなど、改めて知ることが出来ました。
きれいな絵です。文章も明るい表現ですばらしい展示でした。
戦争の悲劇でありながら、その中の実在の一面をユーモラスに描き出す力は何だろうか。作者の楽天性だろうか。それとも人間の戦争を空から見て、逃れられない「サガ」のようなものや人間の「愚」を、何者かが描かせたのだろうか。絵の中には、厳しい場面よりも、心を穏やかにしてくれるものが多く包含されているように見えました。
木内氏の絵画的センスと川柳など特異な才能を絵画集から発見し、当時のシベリア抑留についてよく理解できた。
殆どの参加者が丁寧に鑑賞され、説明を求める方もいて大変良かったと思う。事前に佐川理事長の発言で絵と画家木内紫幽氏の紹介をしたのがよかったのでは。