月11日のドキュメント

写真・文/きうち


6月11日、雨。前回のボランティア演奏会もピンチでしたが、今回はそれ以上の苦境の中での開催となりました。まず、メンバーの都合が付かず5人しか参加できなかったこと。そして何より、3月11日の「東日本大震災」による影響があります・・・

当初は練習場所である倉庫の会議室が、ボランティア演奏会の当日は使用中止になっていました。というのも、企業の節電協力のため、電気を使わせないための措置でした。なんとか会社側と交渉して使用許可を得たものの、使用の条件は電気をいっさい使わないことです。そのような訳で、写真のような暗い状態でのリハーサルとなりました。しかも、この日は朝から雨・・・なんてツイてないのでしょう・・・

毎回参加して下さるほんださんは、普段は一緒に練習していないので、本番当日に楽曲を覚えて演奏しなくてはなりません。そのため、新曲『上を向いて歩こう』を、私管理人が作成した着メロを聴いて一所懸命覚えていました。

そんな苦境にありながら、今回は頼もしい助っ人が登場しました。メンバーの子供たちです。これまでのボランティア演奏会でも子供たちが参加してくれましたが、今回は何と、ながたママの長女ちえちゃんが、琴で参加してくれたのです!!

ちえちゃんが最初にボランティア演奏会に登場したのは小学校4年生のとき。当時はピアノで『めだかのがっこう』などを演奏してくれました。しかし、そんな彼女も今や高校3年生!すっかりレディになりました。そして何より、再びお母さんと一緒にボランティア演奏会を手伝ってくれました。子は親の鏡とも言いますが、幼い頃の私たちとの演奏が彼女を優しい子に育てたのかも知れませんね♪

そしてもう一人の新人サポート・ミュージシャンは、ふかいさんの長女りほちゃんです。彼女はまだ小学校2年生。さすがに状況を飲み込めていないようですが(笑)、ちえちゃんと同じように、きっといつか私たちの横で一緒に合奏しているかも知れません。優しさが世代を超えて伝わっていることに嬉しく思います♪

そして忘れてはならないのは、いつもビデオ撮影して下さっているなかいさん。かつて、奥様が私たちと一緒にボランティア演奏会をして下さっていたご縁で、今なお忙しい合間にこうして私たちの演奏を撮影して下さいます。そのおかげて、動画をホームページにアップできますし、私たちの大事な記録となって残ります。なかいさん、本当にありがとうございました!

自分たちの演奏が終わればとりあえず一安心(笑)。練習不足で心配でしたが、以外にもみんな集中力があり、練習以上の演奏ができました。いつもながら、仲間のそうした集中力の高さには感心させられます。こうして気の合うメンバーでボランティア演奏ができるを幸せに思います。演奏的にはまったくレベルアップはできませんが、お年寄りの皆さんがとっても喜んで下さるので本当に嬉しい限りです。

また、朝から降っていた雨もボランティア演奏会中は止んでいました。これまでもそうですが、我々のボランティア演奏会はこれまで24回も開催してきましたが、雨に降られたことがありません(笑)。何とも不思議な偶然です。

演奏会の最後にご挨拶をさせて頂きました。ここの施設の方々の多くは認知症ということですが、私たちのことを覚えてらっしゃいます。というより、私たちが来るのを楽しみにしてらっしゃるようです。震災の影響によって、しばらくはなかなか思うような活動ができませんが、出来る限りの工夫をして、またここを訪れたいと思っています。

次回以降のボランティア演奏会は未定ですが、また新曲を用意してお年寄りの皆さん、そしてメンバーの子供たちという新たなサポート・ミュージシャンと一緒に演奏したいと思います。ありがとうございました♪


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