10月18日のドキュメント
写真・文/きうち
「本当に上手く行くだろうか・・。」演奏会のその日まで、ずっと頭から離れませんでした。柏市の老人介護施設にお勤めのmazさんより、掲示板に依頼があったのは7月21日のことです。予想もしなかった演奏依頼に当初は戸惑いがあったのが本音です。
何しろ、私たちのサークルはちゃんと箏を習っていないばかりか、遠出をする演奏は経験がありません。しかし、早々に仲間と相談した結果、チャレンジする必要もあるのではという結論に至りました。本来、こうした演奏会には、どの程度の演奏レベルが求められるかまったく見当がつきません。とにかく体当たりで行ってみることにしました。
最初に発生したトラブルは運搬の手配。当初予定していた運搬車が使えなくなり、しばし途方に暮れてしまいました。私たちは同じ職場のサークルなので、やむなく職場に相談したところ、あまり良い返事がかえってきません。この運搬方法については、最後まで議論が続きました。
解決に至ったのは演奏会当日の約一週間前。メンバーのしのはらさんのご主人が車を出して下さいました。メンバー一同ホッとしました。
当日は、楽器その他の荷物を篠原さんとご主人にお願いし、他のメンバーはJR柏駅に集合。車がなければ手で運ぶ予定だったので、思わず「良かったねぇ〜・・」とため息が出ます。午前11時半に集合したのち、柏ステーションモールのレストランで食事。バイキングだったので、好きなものをお腹いっぱい食べました。手品の成田さんとは、12時45分に待ち合わせ。運搬以外の全員の集合を確認したらタクシーで一路「回生の里」へ。
しのはらさんとも予定通り「回生の里」で合流でき、早速演奏会の準備です。
迎えて下さったmazさんや、施設のスタッフの方々から、会場の舞台や当日のプログラムに加え、控え室の準備までして頂いて、本当に何から何までご面倒をみて頂きました。事前にしっかり用意が整っていたため、早めに楽器のセッテイングを終了できました。施設の皆さん、ありがとうございました!
演奏会が始まると、当初心配していたこともまったく問題がなかったことに気付きます。私たちの演奏に合わせて、患者さんの皆さんが大きな声で歌って下さいます。たとえ下手でも、みんなで楽しい時間を共有することこそ大切なのだと、あらためて患者さんから教えられたように思います。
途中、柏市にお住まいのWeb部員のまっこさんが演奏を聴きに来て下さいました。人と人とのつながりは本当に素敵なことですね。これからも、愛しみの心とチャレンジ精神を胸に、サークル活動に励んで行きたいと思います。
患者さん、介護施設の皆さん、またお会いしましょう!