正成の兜が守る千早城

正行の兜へ降る矢雨あられ

源平の兜が沈む壇の浦

鍬形の兜夜襲の顔になり

本陣は兜を寄せて策をねり

信玄の兜にあたる刀傷

苦を与え給えと兜月へ乞い

落武者の兜鎧へ矢が刺さり

清正の兜へ虎は恐れ入り

重成へ渡す兜は香を焚き

野馬追いの兜ほこりの中を抜け

雑兵の兜が駈けるエキストラ

空爆をくぐった母の鍋かぶと

この駅で別れたままの鉄兜

殉国の孤島に眠る鉄かぶと

わんぱくの頭へ似合う紙カブト

兜の緒しめて初心へ戻る肚

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