駅前でかわいい傘が待っている

水無月のつばめがよぎる雨あがり

六月の雨を祝辞の中に入れ

誰からも誘いの来ない雨女

ライバルも居る軒下の雨やどり

ずぶ濡れになったあげくは歩きだし

肩幅へ足りぬ女の傘を借り

相傘の肩をぬらして小糖雨

てる坊主やまない雨を悔しがり

吹き降りの中へのっぴきならぬ雨

音だけの雨を聞いてる寝たっきり

駅前で傘が待ってる惚れている

降格の背広は雨に重く濡れ

ワイパーのせっせと動くひどい降り

にわか雨でんでん虫は逃げ遅れ

楽町で逢って銀座の雨にぬれ

友達が出来て嬉しい梅雨のカビ

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