父の遺品から銀杯を発見


 父の遺品から“銀杯”を発見しました。かなりサビていたので、YouTubeに載ってた裏技でサビ落としをしたらピッカピカ!間もなく生誕100年を迎える父にと、仏壇に置きました。この銀杯は、シベリア抑留者への日本国政府からの“お礼”の品です。ちなみに、リベリア抑留者には国からの補償はありません。というのも、1956年の日ソ共同宣言が背景にあります。

 「日ソ両国は1945年8月9日以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国・その団体及び国民のそれぞれ他方の国・その団体及び国民に対する全ての請求権を相互に放棄する」。 つまり抑留者は、補償金を国に請求できないのです。終戦直後も酷い目に遭いながら、誰も補償しくれないという、あまりにも損な状況でした。しかし、政府もさすがにマズイと思ったのか、1990年頃、生存者が少なくなった頃合い?をみて、賞状と銀杯が贈られました。これが“命の代償”とするならば、戦争とは実に割に合わないものだということでしょうか。(2023.10.8)

旧ソ連抑留画集

 

サビ取りを行ってピッカピカになりました。天国の銀杯が父もきれいになってよろこんでくれれば良いのですが。

銀杯の裏には「内閣総理大臣」と彫られてあります。

遺品発見時の銀杯。全体に黒ずんでサビだらけでした・・・

 

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