さて、倉持の御子はどうしたのでしょう。
「本当にあるのかどうかわからない蓬莱山など、探してはおれない。そうだ、都一の職人に作らせてしまえばよいのだ。」
倉持の御子は、蓬莱山を見つけに行くふりをして、職人に偽の玉の枝を作らせていました。都一の職人に作らせたのですから、大変見事なできに仕上がったのです。そしてそれをかぐや姫に差し出しました。
「何と素晴らしい。これは本当に蓬莱山の玉の枝なのですか?」
「もちろんですともかぐや姫。私があなた様のために、大変な苦労をして、手に入れたのです。」
とそこへ、かぐや姫を訪ねて、二人の職人がやってきました。
「かぐや姫様。倉持の御子様の命により、私たちは一生懸命その玉の枝を作ったのです。しかし、まだ料金を頂いていないのです。かぐや姫様からも、倉持の御子様に早く料金を払っていただけるようにお願いして下さいませんか。」
倉持の御子は、お金を払い忘れたばっかりにすっかり嘘がばれてしまいました。
▲
もどる ▼
すすむ |