かぐや姫は言いました。
「あなた方5人は、いずれ劣らぬみやこの素晴らしい人ばかり。とても私には決められません。ですから、私がほしいと思うものを、一番最初に持ってきた人のところへ、嫁ぎたいと思います。」
それならば公平だと、5人の男たちは承知しました。
「ではまず、石作りの御子様、あなた様はインドにあるという仏の石の鉢を、そして、倉持の御子様、あなた様は蓬莱山の玉の枝を、それから阿部のみむらじ様は日の中に入れても決して燃えないという火ネズミの皮衣を、そして大伴の大納言様は、竜の首についているという5つの光る玉を、そして、いその守様は、ツバメが子育てに使うというツバメの子安貝を、それぞれ持ってきて下さい。」
「わかりました。必ずやお目にかけてみせましょう。」
かぐや姫の望んだものは、どれもこれも手に入れるのは大変難しいものばかり。しかしかぐや姫と結婚したい男たちは、そう答えるしかありませんか。
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