「なんと、まあまあ。お気の毒に。頭の上に雪がこんなに積もって。」多助じいさんは、腰のてぬぐいを取ると、おじぞうさんの雪をきれいに払い落としました。
「さぞ、冷たかろうのう。これからも雪は、降り続くじゃろうから、わしの笠をかぶってくだされ。こうしておけば寒くない、冷たくない。」
そして多助じいさんは、このことを村の人たちに話しました。「なあ村の衆。あれでは、おじぞうさんがかわいそうだ、お気の毒だ。何とかならないかな。」
この一言が村中に伝わると・・・
▲ もどる ▼ すすむ