このお話は、今の長野県が昔、信濃の国と呼ばれていた頃のお話です。
どんぐり山のすぐ近くに住む多助じいさんは働き者。今日もせっせと野良仕事。

「よいしょ。こらしょ。よいしょ。こらしょ」多助じいさんが、畑を耕しています。一緒に来ているポチも、おじいさんの仕事ぶりをじっと見ています。

この多助じいさんは、良い土地に目を付け畑にするのではなく、だれも目も向けない荒れた土地を見つけては、せっせと耕し、石ころを掘り出し、木の根っこを掘り出しては、新しい畑を作っていくのが大好きなおじいさんです。「さあて、そろそろいっぷくつけるか。」

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