その武士の中に「平将門」という男がいました。将門は、平安の都を作った桓武天皇の子孫ですが、将門のおじいさんの時、京都から関東に移り住んで、代々一族でその地をおさめていました。

将門の家は、父親の代から下総(現在の茨城西部からと千葉北部にまたがる)の土地を治めていましたが、父親は将門がわずか14,15歳という時期に亡くなってしまいます。そして将門は、出世を夢見て京の都に出かける決心をします。京都に出た将門は、10数年、貴族のもとで働いていましたが、当時の貴族たちは真面目に働かず、農民たちに納めさせた米やお金で優雅に遊んで暮らし、将門が得意としていた馬や槍などを使った戦いの場もなく、将門が自分の力を充分に発揮できるような場所はありませんでした。そんな都にがっかりした将門は故郷に戻りたいと思うようになります。

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