近現代史研究会PandA会での講演


平成28年2月28日 (文/HP管理者 木内正人)

近所にお住まいの方のご紹介で、近現代史研究会PandA会の講演のお招きを受けました。演題は『満洲の軍隊生活と旧ソ連抑留 〜イラストで見る私の戦争体験』。

会場はアークヒルズコミュニティーセンター。柏から六本木まで車での送迎だったので、老齢の父も本当に助かりました。ありがとうございました。快晴だったこの日は東京マラソンもあったので都内での渋滞も心配だったのですが、予想に反して順調に目的に到着しまい、アークヒルズ内のカフェで少し時間をつぶすことになりました。そして余裕をもって予定通り14時から開催できました。

また、今回の投影はすべてパワーポイントで行いました。主催者の笹幸恵さまから、投影するスライドを事前にご指定を受けていたので、前もってデータを作成しておきました。講演会では私も父の横に座ってパワーポイントの操作を行い、時々父の講演での補足説明をしました。講演の内容は10代のころの軍事教練から入隊、満州での航空隊での様子、そして旧ソ連での抑留生活と広範囲にわたるものでした。

聴講者の皆さまが最もご興味を示されたのは、講演中に紹介したこのエピソードでした。これは、HP「旧ソ連抑留画集」ロシア語版をご覧になった方が、「この絵の人物は僕のパパでは?」という連絡を受けたことにはじまる出来事でした。2011年に突然と届いた一通メール。そこには驚くべき出会いがありました。なんと、絵に描かれているパクロスキー空軍将校のご子息からだったのです。父に絵に描かれていた人物はみな実在の人物だったことがわかった瞬間でもありました。聴講者の皆さまによる感想アンケートにも特に印象深かったこととして書かれておりました。(近現代史研究会PandA会ホームページより引用)

「・・・ロシア兵や民衆への共感、愛情と親しみが語られた点には人間愛を感じ、大いに感動いたしました。ロシア兵との交流の思い出を描いたイラストがロシアで公開され、ご子息が名乗り出られたエピソードには驚きと感動を禁じ得ません。・・・」(49歳男性)

「・・・イラストがとてもわかりやすく、当時の様子がイメージしやすく満洲や旧ソ連の現状を知ることができました。・・・木内先生の軍隊生活を後世に伝えるとともに、自身の生き方に活かしていきます。また木内先生とソ連航空士官との出会いと戦後の遺族との出会いは感動いたしました。戦場の絆が生んだ「奇跡」です。心温まるお話をありがとうございました。」(27歳男性)

戦争の時代と今の平和な時代の接点はなかなか見出すことができませんが、こうしたエピソードを通じて戦争その時代と今が確実に繋がっていることを実感できます。私自身もパクロスキー氏のご子息と直接連絡できるようになるとは思ってもみませんでした。平和であることの尊さ、そしてインターネットというツールが時空を超えて人を結びつける力を備えていることもわかりました。同時に、戦争いう史実をステレオタイプな見かたで判断してはならないということでもあります。

何より、講演の機会を設けてくださった近現代史研究会PandA会の皆さま、主催者の笹さまにこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

近現代史研究会PandA会


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