広島の世界遺産を訪ねて


写真・文 / HP管理者 木内正人

 平成21年11月21〜23日、両親の金婚式祝いを記念し姉家族を含めた計6名で家族旅行に出かけました。今回の旅行先は広島でしたが、私にとっては初めての場所です。やはり広島といえば、2つの世界遺産があることでも知られていますね。ひとつは「宮島・厳島神社」で、もうひとつは「原爆ドーム」。「宮島・厳島神社」を訪れた日は、お天気も悪くとても寒い1日でしたが、翌日の「原爆ドーム」ではとても良く晴れた暖かい1日となりました。それぞれに趣の異なる史跡であるものの、深い歴史とその重さを感じた旅になりました。


平和記念公園・原爆ドーム

 今さら言うまでもなく、日本は歴史上唯一の核攻撃を受けた国です。ひとつの爆弾が一瞬にして都市を破壊しつくす恐ろしさを、無残な姿の建物が物語っています。私が小学生の頃、漫画「はだしのゲン」の舞台でもあったこの場所を一目みたいと思ってました。歴史の証人でもある史跡ではありますが、核の恐怖は今もなお続いています。

 「原爆ドーム」は、1996年(平成8年)12月、ユネスコ第20回世界遺産委員会メリダ会議(メキシコ)で、核兵器の惨禍を伝える建築物として世界文化遺産に登録されました。


大和ミュージアム

 世界遺産とはまったく異なるものですが、太平洋戦争の忌まわしい記憶は日本の科学・工業技術の歴史にも深く刻まれています。その代名詞というべきものこそ“戦艦大和”です。莫大な国家予算を投じて建造された歴史上類をみない巨大な鉄の塊は、呉の「大和ミュージアム」で縮尺1/10スケールで観ることができます。縮尺1/10といっても既に大きな船舶であり、その圧倒的な迫力に実物がいかに巨大なものかを感じ取ることができました。

 戦争とは、人と人とが殺しあう最も愚かしいものですが、皮肉にも科学技術に著しい進歩を促すものでもあります。先の戦争によって多大な犠牲を払いながらも、日本は平和と繁栄を築きました。私たちは、その平和と繁栄を引き継ぐものとして、先人たちの培った技術を“人の幸せ”のために活かすことが大切だと思います。第2次大戦の生き残りである父も、犠牲となった戦友たちを偲んで敬礼をしていました。


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