佐倉城址公園内の“12階段(十二階段)”
平成21年6月13日 (文/HP管理者 木内正人)
千葉県佐倉市にある「佐倉城址公園」内に、「12階段」と呼ばれるちょっと変わった遺跡があります。「姥ヶ池」の畔にあるコンクリート製の階段です。「佐倉城址公園」はかつて旧日本陸軍のあった場所で、戦時中、陸軍に所属していた父によると、こうした階段はどこの軍隊にもあったと言います。この階段は、正規の体操・運動用具の一つで「跳下台」と呼ばれ、兵士はそのまま或いは銃などの装備を付けて跳び降りる訓練をしていました(写真右)。このコンクリート製の「12階段」は解体や搬出が困難だったので、戦後もそのまま残されたといわれています。
ちなみに、戦争遺跡には怖い話がつきもので、この「12階段」は別名「13階段(十三階段)」とも呼ばれ、メディアでも紹介された心霊スポットなんだそうです(笑)。階段を上ると兵士の霊が見えたり声が聞こえるそうですが、現代の怪談話も父にとっては怖い場所ではなく、むしろ共に戦った亡き戦友と出会える懐かしい場所かも知れませんね。
そんな「12階段」は、家族連れで賑わう城址公園のなか、これからも平和のモニュメントとして人々の幸せな笑顔を見守ってくれていることでしょう。